農業研修を決める前の3つの注意点

新規就農をしよう、農家になる、と考えて
農業研修を決める前に注意する点を挙げます。
・「充実した農業研修」は注意
研修プランが豊富で、さまざまな体験ができる農業研修があります。
野菜・果樹・稲作・家畜・花など、多くの作物を作ったり飼育したり。
しかし、多くの体験ができることで満足してしまいます。
農業は、生産したものを売りさばいて、収入にします。
今日は田植え、明日はジャガイモ掘り、など多くの作業を
経験するのはいいのですが、出荷できるほどの収量を
得るためには、地道な作業をずーっと続ける忍耐力や段取り、
一連の作業をより早くこなすことが重要です。
楽しい部分だけを、つまみ食いになって
農業を勘違いしないように注意です。
・「他の従業員と同じ内容」に注意
農業法人での研修で、
その法人の従業員と同じ仕事をさせてもらう研修です。
従業員と同じ内容の仕事をするので
実際に就農した時と同じような体験となり
いいのではないかと思うかもしれません。
確かに、「就農すればこのような仕事になる」という
研修の意味はあるでしょう。
しかし、反面では農業法人にとって安い労働力と
思われていないか、就職の保証はあるのか、
独立に向けて役立つ内容か、注意です。
・「農業のよさを知ろう」に注意
農業研修で、初めて栽培を体験する作物があったり
みんなで苗の定植をしたり収穫をしたり
しんどい作業が多い中でも、喜びがあるものです。
そういった、「農業のよさ」は初めてでも
実際に農業を始めた後でも同様です。
そういった、「農業のよさ」だけでなく
雨の日や寒い日に、手がかじかみながらする作業
炎天下に給水しながら汗だくでする作業が
あってこそ、収穫の喜びがあります。
農業研修のパンフレットやホームページでは
楽しそうな写真や、たくさんの体験談が載っていて
良い事ばかりのように考えてしまいがちです。
何を体験し、何を学ぶか、よく考えましょう。
また、研修先の今までの研修生が近くで就農していれば
将来像を描きやすいです。
研修後はどのように住居・農地・販路などを確保したか
質問できる環境も有利です。
イメージしている農業生活と、実際にそこに住んでいる
農家の生活のギャップを埋める作業でもあります。
農業研修前も、農業研修中も、
ただその時の作業を進めるだけではなく、
「農業を始めると、こういった作業をする」
「農家の仕事の段取りや流れ」
を考えて、将来の姿を想像しましょう。
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