小さい農業~最小面積の専業農家

新規就農の、ある事例をご紹介します。
私も、このような形がいいなと思っていました。
その方は、スモールメリットという、新たな造語を作りました。
スケールメリットという、規模が大きい利点はよく聞くと思います。
まさに、現代の農業は規模拡大が生き残りの方法と考えられています。
スモールメリットとは、規模は最小限で借金をしない、リスク最小限で
農業を始めて、小さいからこそ品質を高めて販売できる、考え方です。
その方の農業の始め方とは、自家製キムチを製造・販売する目的で
準備したようです。
大好物だった、母親の作る手作りキムチを作って、販売したいと考え
そのために必要な最低限のものだけを集め、ラベル作りのための
パソコン・プリンター、真空パック機、業務用冷蔵庫、家庭用耕耘機、
合計120万円で準備したそうです。
畑は、新規就農者にとっては、最小面積である30アール(3反)でした。
この畑でできた無農薬野菜で作った、自家製の漬物のネット販売、
無農薬野菜で10種類くらいの野菜セットの販売、
自然食品店から仕入れたこだわりの調味料などの販売、です。
それぞれの柱から、売上が400万円になるそうです。
毎年の収入を設定して、それに達しそうになければ頑張って
到達しそうなら働きすぎない、そのように決めて取り組んでいます。
毎年、売上を数パーセントずつアップさせるのは、いつも苦しくなる
だから、目標年収を達成すればいいと考えたのです。
新規就農者にとって、大規模農業は設備投資が多すぎてできないので
小さい農業で、農家として生活できるようになることにこだわったそうです。
少ない設備投資と、天候リスクを最小に考えての耕作面積、
加工・販売も独自ルートで、家族経営できる借金のない農業を
目指したものでした。
今の、農業の大型化・大規模化・法人化の流れに逆行するようですが
その小さい農業の考え方に、とても共感できます。
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