稲作だけで新規就農
稲作だけをしたい、と思って就農する方が
いらっしゃるかもしれません。
米は、単価が安い割に、コスト(機械)がとても高くなります。
それで、稲作は儲からないとよく言われます。
まず、初期投資(農業機械)を考えてみます。
大雑把ですが、トラクター・田植え機・コンバイン(稲刈&脱穀)です。
トラクター:400~600万円(1馬力10万円が目安)
田植え機:200~400万円
コンバイン:400~1000万円
新品ですが、半端ないです!!
それ以外にも、自前で所有する場合ですが
乾燥機・籾摺り機・精米機・動力噴霧器(農薬散布)・倉庫
が必要になりそうです。
乾燥・籾摺り・精米は外注もありえますが、稲作だけで
生計を立てようとするならば、所有かレンタルか、でしょう。
そして、倉庫です。
たくさんの機械を雨ざらしにするわけにはいかないです。
また、収穫した米(玄米)は貯蔵庫が必要になるでしょう。
初期投資(全部新品)は、3千万とも4千万ともいえます。
・・・自前で用意するのは至難でしょう。
できたとしたら、逆に道楽か、資本家か、と思ってしまいます(笑)。
米農家さんに聞いたことがありますが
最初に挙げた3つの農業機械は、年に1回の使用ですが
耐用年数はかなり短いとのことです。数年で買い替えも。
計算のため、10年使えると仮定します。
よって、年当たり300万円のコストです。
更にランニングコストがあります。
燃料代・電気代・資材代など、毎年です。
こちらは年150万円としましょうか。
ただ、全部を新品で揃えることは有り得ないと思います。
どうやって、状態のよい中古を集めて
自分で機械のメンテナンスができるようになるか
その辺りが成功の鍵になるのではないでしょうか。
次に、収益(売上)についてです。
全国平均では、530kg/反 ということです。
1反は10アール=1000㎡です。
そして、ここ数年の1俵(60kg)の価格を
15000円で計算してみます。
すると、1反当たり13万5000円となります。
稲作は機械化されているので、相当な面積を耕作できるので
3町(=3ヘクタール=30000㎡=3000アール)で
考えてみます。
(参考:甲子園球場2.26ヘクタール)
単純に300倍しますと、売上は450万円になります。
初期投資とランニングコスト、売上で計算すると
(本当に細かいところは省いていますので!!)
1年間で、
経費が、初期投資300万円、ランニングコスト150万円
売上が、450万円
おっと、ちょうど計算しやすくなっていました。
ですが、450万ー300万ー150万=0円
となってしまいました。収入は0です。
このシミュレーションですと全く駄目ですね。
初期投資の農業機械を安く中古で手に入れる。
農業機械の手入れをなるべく自力でして、長持ちさせる。
耕作しやすい田んぼを3町(=3ヘクタール)以上を確保。
売上単価を上げる工夫。
これらの課題をクリアできれば、利益も出てきそうです。
じっくりと計画や土地・機械の手配してから
稲作農家として始めないと、とても生計が成り立たない
ということがおわかりになったと思います。
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